<新年のご挨拶>                令和2年正月

             坂井地区医師会 会長 坂井健志

 

新年あけましておめでとうございます。会員並びに地域住民の皆様にはご健勝で令和2年(2020)の新春をお迎えのことと心よりお喜び申し上げます。

今年は干支では「庚子(かのえね)」となり、今まで進んできたことが終わり、新しいことが芽吹く年と云われております。当医師会におきましては従来からの「会員相互の協力のもと医道の高揚と医学の生涯学習に励み、地域の公衆衛生向上と社会保障の増進に寄与する」との基本方針に則り活動することは変わりありません。

坂井地区医師会では、過去10年以上にわたり、5つの介護事業所が入った坂井地区医師会ケアセンター(以下ケアセンター)の運営と在宅医療を多面的にサポートし、地域包括ケアシステム構築推進の中核となる坂井地区在宅ケアネット(以下ケアネット)の運営をしてまいりました。ケアセンターとケアネットは当医師会活動の原動力であり、地域医療貢献の点においてもこの2つの事業は一定の評価を受けており、今後も存続進化させていくことが大事と思っております。

しかし、これらの事業も2040年に向けて押し寄せる少子高齢化人口減少社会の影響をうけ、医師の高齢化や人材不足、在宅看取りにかかわる諸問題、訪問看護師や介護士などの人材不足など、数々の困難な課題を抱えており、今年は時代に合った地域のニーズに応えるために、その在り方を見直し改めていく始まりの年にしたいと考えております。

福井県医師会では昨年6月に池端新会長が就任され、県内の地域医療構想や医師の働き方改革などに伴う医療を取り巻く環境の変化を、いかに地域に適合させるか腐心されているところです。当医師会も県医師会と歩調を合わせ、かつ連携しこれらの変化に対応していきたいと思います。また地域医師会としては独自に、来るべき高齢化人口減少の中で、より医療・介護などの社会資源を効率的に利用することと、高齢者個々の人生を尊重しながら、やがて来る人生の最終段階をどう迎えるかが求められています。そのために、将来の自身の心づもりを家族や医療者と話し合う、アドバンス・ケア・プランニング(ACP、愛称人生会議) の啓発を進めたいと思います。またACP以外にも地域住民の健康や生き甲斐づくりのために、必要な情報を発信していくことで、地域との交流を深めていきたいと思います。他にも近年多発する災害時の災害医療、地域医療構想で求められている地域の病床機能分担、医療機関における働き方改革、そして4月の診療報酬改定に向けた対応など、医師会全体で取り組んでいくことが多くなってきております。会員そして地域住民の皆様には本年も坂井地区医師会にご理解とご支援、ご指導をよろしくお願いいたします。

最後に今年一年、皆様には大きな災害もなく健やかに過ごされることを祈念し新年の挨拶といたします。